2018/03/吉日読了。
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あまりブログでは触れていないが2018年に入ってから資産運用のため,投資をちょくちょくと始めてみた。
投資というと真っ先に思い浮かぶのは株の売買だが,複数の銘柄に分散投資するためにはある程度まとまった資金が必要となり,私のような若輩者には厳しい。
ということで基本的に投資信託でお手軽に分散投資——ということを考えるのだが,さて一口に「投資信託」と言ってもその性格は様々である。
色々調べていくうち,とある投信ブロガーが出版していた本の存在を知った。それが本書・『お金は寝かせて増やしなさい』である。
初の単著「お金は寝かせて増やしなさい」がフォレスト出版より発刊されます。Amazon では12月8日発売となっていました…
私も勉強中につき間違ったことを言ったら恐縮だが,投資信託には大きく2つの分類がある,らしい。一つに「アクティブ投信」,もう一つに「インデックス投信」という。
前者・アクティブ投信は投資信託のファンドのファンドマネージャが,これから成長しそうな銘柄を探し出してきて投資する。自分の目や耳などで情報をフルに活用しながら積極的に「当たり」を探して投資する。積極的=アクティブというわけ。世間一般に言う「投資」とはこのようなイメージを持つことが多かろうと思う。というか私もそうであった。
一方,後者・インデックス投信(「パッシブ投信」とは何故か言わない)ではそこまで気合いの入った銘柄選定は行わない。
まず前提知識として,世界の景気を表す経済指標を色んなところが出しており,それを「インデックス」という。この指標=インデックスによると世界経済は概ね利率4%程度で成長を続けているので,このインデックスに追随するように銘柄を選定し投資をしていくことで世界経済とともに成長しよう,というのがインデックス投信のスタイルである。
ちなみにインデックスにも「米国株式インデックス」「先進国株式インデックス」,はたまた「全世界株式インデックス」など複数の資産クラスや地域ごとに各社が出しているので細かい違いがあるのだが,正直私もよくわかってない。
上記の話を聞くと「アクティブ投信の方が効率よく(=利回りよく)投資できそうじゃん?」と言われそうだが,意外や意外世の中の大多数の投信ファンドにおいては「インデックス投信>アクティブ投信」となることの方が多いらしい(何故というと,アクティブ投信は銘柄選定にコストをかけざるを得ないので信託報酬がどうしても高くなってしまうのが要因として大きいようだ)。
そんなわけで,2018年から始まった「つみたてNISA」なる金融庁肝いりの政策もあることだし,まだ20代のうちからインデックス投信でもしとくかね,ということで本書を読んだ。
まだまだ本業もこれからなので,あまり手間をかけずいつの間にか増えていたらいいなぁという若い世代にとっては,インデックス投信=ほったらかし投資が理に叶う。と信じる。
私は本書を読む前に1ヶ月ほどあちこち調べまくったのだが,本書はまったくの投資素人でもわかりやすいよう懇切丁寧に執筆されている。
下記のようなワードは投資信託によらず投資全般に通じる基本語だが,それもしっかりサポートされているので入門書としておすすめできる。
- ドルコスト平均法
- リスク許容度(もしくは投資における「リスク」の概念)
- アセットアロケーション=資産配分
- リバランス
- NISA/つみたてNISA/iDeCo
- 複利効果
上記のうち,1つでもちょっとよく分からんなー,でも投資興味あるなーという方においては是非読んでみて欲しい(リアルの友人は声かけてくれれば貸しますぜ!)。
また,本書で特に面白いのは後半の「第5章 涙と苦労のインデックス投資家15年実践記」と「第6章 貴重情報! インデックス投資の終わらせ方」である。
5章では,著者である水瀬ケンイチさんがインデックス投信を始めてから15年の資産グラフが,世界の時事と合わせて記録されている。
15年前,ようやく日本でも低コストなインデックス投信が登場し始めて順調に資産は成長——したかと思ったらリーマンショックやらギリシャショック・東日本大震災など「xxx年に一度」なる事件が度重なって起き,当然元本割れ。それでも諦めずに(というか「気にしないようにして」)ドルコストで積み立てていくと,アベノミクス等で一気にV字回復——というサクセスストーリーである。
日本におけるインデックス投信の黎明期を突破してきた(単に「通過してきた」と書くのは失礼だろう)渾身の記録なので大変参考になった。
この貴重な体験記から得られる教訓は以下の2つかな。
- 暴落が来ても気にしない。
- 世界経済は常に成長している。下がりっぱなしの相場などない。
- インデックス投信は「売らないようにする」ことに苦心しろ。
- 本書中にて『どうしても売りたくなったときにふれるべき言葉』が紹介されている。是非書展にて目にしてほしい。
6章の,いわゆる「投資の出口」についての話も大変興味深い。私も長期で運用を目指すため,まだまだ先の話ではあるが,事前に知っておくと安心する。
色んなサービスに通じることだが,何事に付け「辞め方が肝心」。でも難しい。
以上,3ヶ月ぶりの生存報告を兼ねて。
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