文の区切り――特にカンマと読点について。

  • 2013-03-13
  • 2016-10-13
  • 雑記

タイトルの「文章の区切り」とは,句点(。)・読点(、)・カンマ(,)・ピリオド(.)のことを指してるつもり。この書き方っていまいち統一されてないよね,って気になってどうしようもなくなって,冬休みに調べたことを今吐き出す次第。

ことの始め

元はといえば冬休みに,夏に書き進めた小説を完結させよう思っていて,実際読み直してみたら読点がカンマだったりその逆だったりしてが気になってしまったというわけ。調べたといっても全部ソースはネットだから信用ならないかもしれないけど,まぁその程度の情報だと思ってご覧頂きたい。

句読点とは

まず調べてびっくりしたことに,「日本語は句読点(。と、)で書く」と思われているけど,これ絶対的に正しいわけではないのね。

元を正せば日本語っていうのは縦書きの言葉だから,区切り文字も縦書き用のものだったのだとか。古代の古典を読んでいると句読点なんてないけれど,中世以降がどうだったのかは知らない。たぶん無かったのかな。

そして明治になって一気に西洋化。(外来語という意味ではなく本来の意味での)横文字も使われるようになって,同時に英文におけるカンマ(,)とピリオド(.)も輸入された。ただしちゃんとした日本語は未だに縦書きで書かれていたから,縦書き用の区切り文字も必要になった。だって縦書きでカンマなんて格好悪いものね。それで「縦書き用」として「句読点(。と、)」が発明されたという経緯があるらしい。ちょっと眉唾か……? とは思うけれど。

ということならば,外字の横書きならば「,」「.」を使い,縦書きの日本語では「、」「。」を使う,というのは理にかなっている。問題は,いつの間にやら日本語を左から「横に」書くようになってきてからの区切り文字にある。

今でもそうだと思うが,「(縦書きの)日本語は句読点だよ」という考えのうち「(かっこ)」が省略された結果として,横書きでも「、」「。」を使うケースが多い。これにはWindowsIMEのデフォルト記号が「、」「。」と設定されていたことも大きな要因であるという。この影響で,いまだPCで打たれた文章では「、」「。」を使うことが通例になっているのだそうだ。

さて,慣習は別にしても,国はどう定めているのだろうか。

文部省は「公用文作成の要領」において、横組の場合は「,」を用いることとしたが、自治省は「左横書き文書の作成要領」において「、」を使用するとした。現在でも両方の用例が見られる。日本工業規格は原則として横組だが、読点にコンマ(,)を用いる[2]。読点(、)は規定に登場しない。日本では、横書き文書のうち、教科書や参考書のような学術的、教育的なものには多くコンマ(,)が使われる。

Wikipedia:読点

つまり,バラバラなんだな。

ということでどんなにバラバラなのか,家にある横書きの本を調べてみた。

[foogallery id=”1842″]

後ろの3つは検定もないようなものなので信用ならないが,確かに高校の教科書は横書きにおいて「,」を使っていた。知らなかったよね。

さて,バラバラなことがよーくわかった。結局のところ何を使うかは個人の裁量に任されるわけだが,どう決めたものか。

冬休みの私はこれで1日を潰してしまった。

私の場合

結果,今ご覧になっているとおり「,」「。」と使うことにした。

冬休み前までは「,」「.」を使っていたのであるが,これにも一応理由はあった。というのも私はTeXでレポートを作ることが多いのだが,その際どうしても数式が入る。日本語の文章では「、」を使い,数式中で例えば「m_1,m_2」とするのは変換が面倒くさい(半角ならいいんだが,紛れてしまうこともあった)。

じゃあ「,」を使おう。じゃあ「.」を使おう。ということで,半ばカッコイイからピリオドを使うようになった。理系の専門書に「,」「.」が多いのは,こうしたTeX事情もあるのだろう。

だが,やはり読みにくい。一見して「,」と「.」の見分けがつかないが故に,文章を読むのが嫌になってしまった。

そこでいろいろ考えたが,やはりTeXを使う以上,読点とカンマの統一は図りたかった。よって「,」を使う。そして「.」は見分けが「,」と見分けがつきづらいから「。」を使う。最初は違和感がハンパなかったが,今ではもう慣れた。エントリを書くにあたって順番が前後したが,高校の教科書が「,」「。」の組み合わせで書かれていることを知って踏み切ったのもここに至ってである。

さて,読者の皆さんはどんな区切り記号をお使いになっているだろうか。参考になれば幸いである。