どうもukaznilです。
最近のブログの記事がキーボード関係のことばかりで大変恐縮しています。
一応恐縮したつもりでいますが,更に恐縮なことに今回の記事も懲りずにHHKB関係の話題です。
とはいえ,今日はいつもと趣向を変えてちょっと大工なテーマ。
厚底キーボードは手首が疲れる
ここ2週間くらい,職場でHHKB Lite2を使っていますが打ちやすいです。
打ちやすいのですが,手首が疲れます。
なんでって,HHKBを始めとする深いストロークのキーボードはその分だけ厚底になっているからです。
下の写真を見てください。HHKB Liteを使っている私の手を横から撮影したものです。
キーボードを打とうとすると必然的に手首が曲がった状態が長く続いてしまって,これが疲れや痛みの原因になるのですね。
かといって,常に手を浮かせた状態でタイピングをするのは安定性に欠けるし,そもそも余計に疲れてしまいます。
困りました。
HHKBというキーボード自体はとても良いものなのですが,残念ながら私の手がそれにまだ適応した形に進化を遂げていません。
廉価版の6000円とはいえ安くはない金額なのでまことに残念。
このような問題は一般的な「厚底キーボード」(勝手に命名します)では共通の話題。これを解決するための製品が,世に言う「パームレスト」もしくは「リストレスト」という商品です。
キーボードだけじゃなく,ポインティングデバイスであるマウスにも使う人の方がよく見かけるかもしれません。
調べてみると,以下にあるようなウレタン製の商品がメジャーのようです。
[amazonjs asin=”B00OAZ7U8G” locale=”JP” title=”サンワサプライ キーボード用低反発リストレスト(ブラック) TOK-MU3NBK”] [amazonjs asin=”B01LZMBDTF” locale=”JP” title=”ARCHISS Massive Wrist Rest リストレスト 「M」サイズ ブラック”] [amazonjs asin=”B000JCEP50″ locale=”JP” title=”エレコム リストレスト 疲労軽減 “COMFY” ロング(ブラック) MOH-012BK”]でも更に調べてみると,低反発なウレタン製のものは逆に「パームレスト」としての役割を果たしていないんじゃないか,という疑問を呈している製品もあり,なかなか面白いです。
たとえば以下の製品,こんなことをサイトで言っています。
[amazonjs asin=”B00CHK3B3O” locale=”JP” title=”FILCO ウッドパームレスト Mサイズ 幅(360mm) 天然堅木製 オスモカラー仕上げ 日本製 ブラウン FWPR/M”]パームレストとはパソコン用キーボードの手前に置き、キー打鍵時に手のひらを乗せるクッションや台のことで、長時間の打鍵による疲れや腱鞘炎の予防に役立つものです。現在販売されている物はベースにエラストマーなどを使った柔らかい製品が主流で、沈み込みが大きく高速打鍵をするのには不向きな物ばかりです。天然木を使用したパームレストは手触りが良く、適度な硬さで手のひらの沈み込みがありません。また手のひらが当る部分に程よい傾斜がつけてあるので手首への負担を軽減します。快適に高速でキー打鍵をするのに最適なパームレストです。
うーんなるほど,一理あります。確かに安定させるためなら,剛性のあるしっかりしたものの方が良さそうです。
しかも木製・ウッドパームレスト。「天然素材」と銘打たれるとなんともオシャレな気がしてきます。
しかしお値段3500円。Lite2に比べたら,ましてやHHKB上位モデルの2万3万に比べたら安価なものですが,ただの木片(失礼)に3500円は高い!
ただの木片なら自分でも作れんじゃねーの? というのが,今回のエントリーです。
いわゆるDIYですね。
木材の購入と切断
そうは言ってもまともにDIYなんてしたこともない私。ひとまずこういうマテリアル系の話ならハンズだろう,と職場近くの東急ハンズに行ってみます。
すると,ありますあります木材の山。
檜を始めとして,杉,樺,桐……コルクなんてのものまで所狭しと並んでいます。
木材のことなんて何にもわかりませんが,香りの良い樹が良いなぁ,丈夫な樹が良いなぁと漠然と思いながら見ていって,結局桜の木を購入してきました。なんとなくサクラって良い雰囲気ありますよね? ね?
木材のサイズは15mm x 200mm x 300mm。お値段1,100円(税抜)。
HHKB Lite2の横幅が295mm,高さが15~20mmくらいだったので,200mmある縦を適当な長さに切るだけでひとまずの要求仕様は満たせそうでした。
ということで,ノコギリで両断してみます。
実家のくせにノコギリがなかったので,帰り道にスーパーで買った400円の糸鋸で勝負です。
縦幅は悩みましたが,おおよそ90mmのつもりで線を引きます。上で紹介したFILCOのウッドパームレストも同じくらいのサイズでした。
1時間半もかかって両断。安物糸鋸は超絶非力でした。もうやりません。
現状,横300mm×縦90mm×高さ15mmです。
実際にPCの前に置いてみて使ってみましたが,このサイズ感はぴったりですね。
ヤスリがけ
(安物)糸鋸で切っただけあって切り口は正視に耐えない程ガタガタなので,丁寧にヤスリをかけていきます。
これも東急ハンズで購入したサンドペーパー。番手は#80と#150を使いました。
ヤスリがけは結構時間がかかりました。仕事から帰って,2日くらいシコシコと愛でていきます。
で,出来上がったのがこちら。
悪くないです。
丁寧に丸みを取ったお陰で手触りも申し分なし。顔を近づけると,木材の良い香りがします。
ここで制作を終えても良かったのですが,欲が出ましたw
まだもうちょっと続きます。
ウッドバーニング
今回初めて知ったのですが,「ウッドバーニング」というものがあるらしいです。いわゆるオシャレ系のワードのようで,私が今まで知らなかったのも無理からぬところ……。
読んで字の如し,木材に対して半田ごてのようなもので焼き印を入れる作業ですね。
世の中には手先が器用な人がそれはそれは沢山いるようで,「本当に素人かよ」と目を疑いたくなるような出来映えのものが大量にヒットします。
例えばこんなの。
木材に電熱ペンで絵を書く「ウッドバーニング 」。この記事では必要な道具やデザイン、スプーンや木皿などウッドバーニングする…
自信なんて微塵もないのですが,こんなのを拝見していると無性にワクワクしてしまい。
まぁせっかくだしやってみるかと挑戦してみることに。
このポジティブさは吉と出るのか凶と出るのか……。
さて,高校生の時に私物の半田ごては持っていたのですが,大学入学以降は使わないだろうと処分してしまったので,これも東急ハンズで購入します。聞くところによるとダイソーでも売っているそうですが,まぁ大した差でもないのでハンズにて。
30W出力タイプの,軸径がφ4mmのものです。今思えば,もう少し径の細いものでもよかったですね。
さて,いよいよ焼き印を入れていきます。
今回は無難に私の名前を彫ることにします。
最初の文字だけ焼いてしまいましたが,下書きはこんな感じ。ちょっと流れるようなフォントにしてみました。
実際に半田ごてを入れてみてわかったことですが,曲線は難しい。
そして小文字めっちゃ難しい!!
調子に乗ってフルネームの印を入れましたが,大人しくイニシャルくらいでやめといた方が完成度は高かった気がしています。
まあ何はともあれ焼き印は終わりました。かかった時間は準備含めて1時間くらいですかね。コテを当てるのは楽しかったので体感時間はもっと短いです。
初めての焼き印にしてはまずまずでしょうか。
せっかく半田ごてを買い直したので,木材DIYを本格的に趣味にしたくなってきてしまいました。
ウッドバーニングはこれにて終了。
これでようやくパームレスト製作も終わり……ではありませんw
オイルフィニッシュ
読んでそのまま。木材の色に深みを出すため・手触りをよくするためにオイルで塗装します。
サクラ材はそのままでも綺麗な白色をしていますが,キーボードが真っ黒なのでちょっとアンバランスなのが気になっていました。もう少し茶色に染まってくれると,コントラストが目に優しいかなという期待です。
これも私は初めての経験でしたが,ウッドバーニングと合わせて実施しているブログが多かったので挑戦してみました。正直ちょっと失敗しましたw
今回買ったのはこのオイル。随所で紹介されているオイルなので,初心者向けなのかしらという安易な判断です。
東急ハンズには塗装サンプル込みでたくさん種類があって迷いましたが,今回は深めの茶色に染めるのが目的なので,「ダークウォルナット」を選びました。
[amazonjs asin=”B00GWBQU00″ locale=”JP” title=”ワトコオイル ダークウォルナット W-13 200ML”]
手順がよく分かってないまま作業開始してしまったのですが,以下のような流れでオイルフィニッシュしました。多分根本的に間違っている気がしてなりません……。
- サンドペーパー#240で丁寧にヤスリをかける。
- ワトコオイルを片面だけ塗装する。
- 30分放置後,耐水ペーパーで表面を磨く。
- 裏返して同様の作業。
- 表と裏が終わったら,側面に対しても同様の作業。
- 丸1日放置後,布で拭いて完成!
上記手順のうち,全面塗布が終わって放置を始めたときの画像がこちら。
多少まだらに染まってしまいましたが,木材内部の硬さにもムラがあるだろうので悲観はしません。時間が経てば自然に馴染んできてくれるでしょう。
その後,1日放置して回収したのですが,まだ木材全体がオイル臭い……。しかもまだ自然にオイルが滲み出てくる……。
どうやら,1日放置では足りないようです。
その後,1週間程度放置して,ようやくオイル臭が気にならなくなるくらいまで落ち着き,色もだいぶ抜けて浅くなりました(色が抜けてるけどいいのか……?)。
色味はこんな感じです。左側のムラが大分薄くなってます。
まあ,ひとまず実際に使えるような状態にはなりました。
手を置いたときに,まだちょっとだけベタつくような気がするけど時間の問題でしょう。
何はともあれ,やっと腕の痛みを気にせずHHKBを使えるようになりました!!
おわりに
製作を始めてから放置期間も含めて2週間,長かった!
最初は木材を切って終わりにするはずだったのに,気がつけばウッドバーニングとオイルフィニッシュまで経験してしまいました。
DIYって楽しいね。上手くいかないけど,それも楽しかった。
正直ウッドパームレストの既製品を買った方が値段は安く済んだけど,経験はお金には代えられませんからね。
誰の言葉か忘れましたが,「人生をハックする」という捉え方もあります。人生をハッピーハッキングする一環として,ウッドパームレストのDIYはよい刺激でした。
これも全部HHKBのおかげです。Nice happy hacking !!
幸いなことにサクラ材もサンドペーパーも半田ごてもワトコオイルも余っているので,今回のウッドパームレストの次なる制作物を模索しているところです。
次の目標はオイルフィニッシュをもう少し上手くやることかなー。
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