2018/01/21(日)読了。
[amazonjs asin=”4480863303″ locale=”JP” title=”金持ち父さん貧乏父さん”]とある人から教えてもらって読んだ。
日本に未だそこはかとなく蔓延る「金に拘るのは浅ましい」という観念から解き放たれるきっかけになった様な気がする本(すごい自信なさげ)。
日々の生活の中で我々は働き収入を得て生活しているけれども,「働けど働けど我が暮らし楽にならず」が起きてしまうのは何故なのか。
「贅沢」とか「(固定観念的な)夢とか信仰」のために,自転車操業で生活を送ってしまうのは何故なのか。
そんな理由を「金を得るためには(一生懸命)働かなければならない」という神話に依拠しながら展開していく。目次の一部だけ見ても,
- 金持ちはお金のためには働かない
- 金持ちはお金を作り出す
- お金のためではなく学ぶために働く
と面白そうな章立てが並ぶ。
この本の根底にあるのは「投資をせよ」ということ。それはお金であり,自分の経験である。
人間なので時には贅沢もしたくはなるが,何事も「身の丈」というものがある。金額的なことでいえば,言わば「消費」や「借金」を行うことでそれを手に入れる。でもそれじゃあ,人間の欲望は際限無しに増長して手が着けられなくなる。そこをうまーくコントロールすることで,「じゃあこれを手に入れるために必要になる対価(お金)を生み出すにはどうしたらいいか?」と考えることで,お金に対して主導権を握っていく。
上記のように,この本で繰り返し述べられているのはお金と人間との従属関係だ。
「お金のために働く」は言わば人間が奴隷側。「お金のために金を払う」は人間が主人。後者の場合,直感的に理解できるのは資産である。
消費ではなく,浪費ではなく,投資して資産を作れ。それがこの本の一番イイタイコトだろうと思う。
ところで終盤には著者であるロバート・キヨサキの言う「スタートを切るための十のステップ」がある。項目と主なメッセージのみ挙げるが,興味があれば読んでみてほしい。
- 強い精神の力を持つ
- 「やりたくないこと」と「やりたいこと」を明確にせよ。理由があれば(辛い)現実を乗り越えられる。
- 毎日自分で道を選ぶ
- 「選択」はいつでもついてまわる。「自分」を意識して選択を繰り返せば,逆説的に「他人」にもなれる。
- 友人を慎重に選ぶ
- (この項は共感できなかったので省略)
- 新しいやり方を次々と仕入れる
- 人間は学んだものになる。何を学ぶかを慎重に選択せよ。
- 自分に対する支払をまずすませる
- 自制せよ。
- 人生につつきまわされるな。人生で起こる(不都合な)事象を利用しろ。
- ブローカーにたっぷり払う
- 「百科事典が自分に必要かどうか,百科事典のセールスマンに訊くな」
- 自分よりも優れた人をうまく使え。
- もとはかならず取り戻す
- もとを取ったら後は楽しむだけだ。
- ぜいたく品は資産に買わせる
- 欲しいもののために借金するのは馬鹿だ。
- 欲望を刺激(エサ)に自分を成長させろ。
- ヒーローを持つ
- 「自分にできないわけがない」と思えたら何でもできる。そう思わせてくれる人をヒーローとして持て。
- 頭ごなしに否定する偽ヒーローには近づくな。
- 教えることで得る
- 何か欲しいものがあったら,まず与えなければ駄目だ。
- 出し惜しみはするな。
ちなみに,ロバート・キヨサキが開発した「キャッシュフロー」というゲームがある。この本で一貫して言われる「資産」の考え方を学ぶための教材らしいが,版元の都合か価格がめっちゃ高い。
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これも投資だゾ,と言われたら何も言い返せないが,盲信もどうかと思うのでどうしようかなぁと悩んでいたら,友人の友人が持っているそうで遊ばせていただけることになった。なんてありがたい。
そういえばアプリ版もあるが不評とのこと。キャッシュフローゲーム会なるものもあるらしいが,下手なのを選ぶとマルチ商法とか宗教勧誘の温床になっているようで一見さんにはなかなか厳しい。
ちなみにちなみに,「ロバート・キヨサキは『キャッシュフロー』ゲームを売り出すために『金持ち父さん』シリーズを書いた」とも言われているらしく,これこそまさに彼にとっての資産運用である。
悪く言えば我々は食い物である。……なーんて穿った考え方をすれば、資産を扱う本書のイイタイコトが少しは腑に落ちる。
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