2020/11/07読了。
この本の続編である『コーポレートトランスフォーメーション』も近いうちに読む。
感想(Rating:★★★★☆)
★★☆☆☆:うーん。
★★★☆☆:まぁ楽しめる。
★★★★☆:人によっては忘れられない一冊になる。
★★★★★:どう見ても名著。読んでほしい!
「コロナショック」を題材にしてはいるが,書いてある内容は組織の危機マネジメントそのもの。危機の時代にはリーダがより大事になり,機動的なCX=コーポレートトランスフォーメーションが肝になる。「経営」というものがどういう性質を持つのかの端緒を感じることができる一冊。
不謹慎かもしれないが,この激動が今後どういう時代を作っていくのかという空気感をまだ若いうちに感じることができるのは幸いである。ひとまず目にしやすい自社の例を参考に,じっくりと目にしていきたい。
目次
- L→G→F経済は3段階で重篤化する
- 企業が,個人が,政府が生き残る鍵はこれだ
- 危機で会社の「基礎疾患」があらわに
- ポストコロナショックを見すえて
引用
p4
ここでシステムとしての経済が不可逆なダメージを受けてしまうと,私たちの社会はパンデミックを克服した後に,今度は経済的な苦境に長期にわたって陥ることになる。
p29
歴史はまさに想像力の基盤になるのである。「歴史から学ぶ」とは「歴史から想像する」と言い換えてもいいのかもしれない。
p40
しかし,経営機器に際して,企業に致命傷を与えかねない重大なBad Newsこそが重要なThe Newsなのである。
p50
古来より戦時は独裁である。
p57
融資に頼るべきつなぎ資金と,出資によって長期的な投資に使えるリスクキャピタルと,両方をしっかりと使い分けなくてはならない。
p60
「国民感情」や「社内の空気」などという実体不明のお化けに惑わされず,「理屈通り」にやるのが経営である。
p63
肝心な時に戦場から逃げるやつが最高司令室や司令部では戦争にならない。
p64
真の現場主義経営とは,現場の実態,最前線の実態をありのまま知ったうえで,そしてもちろん現場で汗をかき血を流している仲間に共感したうえで,時には現場に厳しい決断を下すことである。
p67
なぜなら,危機はいつも新しい形で押し寄せてくる。その新しさの本質を洞察し,それを歴史的な法則に当てはめ,想像力を働かせて答えを導くには,形而上的な広範な知識や教養と,形而下的な凄まじい修羅場体験から凝縮されたリアルな抽象的原理との両方を持っていないと難しい。
p68
私は,本気で将来マネジメントリーダを目指したい20代,30代の人間から,勤めている会社が再生状態に陥ったときに自分はどうすべきか,と相談を受けたら,ほぼ100%こうすすめる。ぎりぎりまで会社に残って,修羅場体験をするように,と。
コメントを書く