読了『死ぬこと以外かすり傷』

2018/09/01読了。
[amazonjs asin=”4838730152″ locale=”JP” title=”死ぬこと以外かすり傷”] 超夢中になって読んだ。最近忙しくて今日まで日が空いてしまったのでブログを書く前にもう一度読み直してみたけど,やっぱり夢中になって読んだ。


この本を読んだきっかけはなんだったか。先日『多動力』を読んだ際に著者である箕輪さんのことが書かれていて,たまたまこの本『死ぬこと以外かすり傷』の広告を見たのだったか(2018/08/28日発売)。確か,今すぐ読まなければと思って急いで買って読んだのだ。

例によって,章立てはこうだ。

  1. はじめに こっちの世界に来て,革命を起こそう。
  2. [考え方] 予定調和を破壊せよ
  3. [商売のやり方]自分の手で金を稼げ
  4. [個人の立たせ方]名前を売れ
  5. [仕事のやり方]手を動かせ
  6. [人間関係の作り方]癒着せよ
  7. [生き方]熱狂せよ
  8. おわりに バカになって飛べ!

全ては紹介しないが(というか文字化するだけ自分の中で消化できていないのだが),特に面白かった章から,せめて1メッセージくらいは挙げてみる。

第1章 [考え方] 予定調和を破壊せよ

端的に言って,「ビビるな」ということ。
成功が高い確率で約束されたチャレンジはチャレンジとは言えない。わからないことにこそ,楽しみながら挑戦しろ。リターンを目指してリスクを取れ! そう私は読み取った。

印象的な部分があったので引用する。

先日,ある新入社員から相談を受けた。「××という企画を進めようと思うんですけど」と訊かれたので,僕は「その××って,やる意味なくない?」と一刀両断した。すると新入社員は「ああ,やっぱりそうですよね。上司の△△さんからやるように言われたので」と言う。僕ははっきり言った。「お前がやる意味ないと思っているのなら個々が別れ道だ。意味がないことを知りながら上司のために仕事をすることは真面目でも何でもない。むしろ不真面目だ。代案を考えて『意味ない』と言ってこい。疑問に思ったことを飲み込んで,言われたとおりに仕事する。そんな無難な道を3回歩いたら二度とこっちに戻ってこれなくなるぞ

第2章 [商売のやり方]自分の手で金を稼げ

最近,副業が,とかフリーランスが,とかいう話が盛んだ。ネットを見れば,自分で起業した輝かしい人の活動がすぐ目の前にある。じゃあ会社員って駄目なのか? という疑問に対して,明確な答えをくれた章。

『会社組織は人材と資金とインフラを抱えている』。新しいことをやろうとしたときに,会社に損害を与えてしまうことはあっても個人の給与は変わらない。言わばノーリスクの挑戦ができる。加えて,特に日本では顕著だろうが,「会社」が今まで築いてきた信頼関係も利用できる。
「社畜」というパワーワードが世間に浸透し,社員は会社の歯車であるかのような言い方をされることが多いが,そんなことはない。社員も会社を使って人生を楽しむ。会社は社員を使って利益を出し,社員・世の中に還元する。法人という規模の経済性を活かした制度はそう回ってくれないと,嘘だ。
これを「福利厚生」の一言でまとめてしまっては,恐らく語弊がある。「挑戦の余力がある」と私はまとめたい。

こちらも端的な文があったので引用する。

副業解禁が話題だが,休日に牛丼屋でバイトをして小銭を稼いでも意味がない。それは時間を金と交換しているだけ。本業を頑張って力をつけるのが先だ。
自分はその仕事で何を稼いでいるか明確に言語化するべきなのだ。
僕は幻冬舎では「ブランド」を稼いでいる。<中略>コンサルでは「金」を稼いでいる。地方公演はノーギャラだが「未来」を稼いでいる。地方に仲間を作ることは僕がこの先やることで重要な役割を果たすからだ。

第3章 [個人の立たせ方]名前を売れ

物質を満たすためのビジネスは終わった。これからは思想を売る時代が来る。箕輪さんがやっているオンラインサロンのように,同じを想いを共有するための場としてビジネスは発展する。
その理由として挙げられているのが,スマホだ。

人はスマホによって孤独になった。スマホという小宇宙によって,人は自分が好きなものしか見ないようになった。その結果,好みや生き方が凄まじい勢いで細分化した。スマホから顔を上げると,周りは自分とは違う世界の住人ばかりだ。
テレビという画面の前に家族仲良く座っていた10年前のように,学校や会社に行けば昨夜のドラマの話題をみんなでするということはなくなった。今では同じ会社の隣の席の人でも,何が好きかどうかわからないということが普通になった。
人は多様になった。悪いことではない。しかし,その結果として人は孤独になった。好きなものを語り合い,同じ想いを共有する場所がなくなったからだ。

実現したい世界観を共有し,多くの批判と返り血を浴びながら,それでも共感する人を集める。そんな「教祖力」を持った人が今後は輝く,と述べる。これからのビジネスは宗教化する。

第4章 [仕事のやり方]手を動かせ

ホリエモンの『多動力』にも通じる,非常に参考になる章。全編紹介したいくらいだが,特に絞って推したい1ヶ所に絞る。

「熱狂に出会うための自然消滅のススメ」の副題で書かれた章の冒頭を引用する。

熱狂できることに出会うためには,事前消滅上等であれこれ手を出せばいい。
まずは口癖を変えるのが有効だ。
企画の提案が来たり,それこそ飲み会や旅行の誘いでもいい。なにか声がかかったとき,「やりたい」「行きたい」という言葉を禁句にする。そして「やります」「行きます」と言うようにするのだ。これだけで行動の量とスピードが飛躍的に上がる。
〜中略〜
もはやこれは癖だ。熱湯に触れて「熱い!」と言うようなレベルで「やります!」と返事する。

案件を受けまくった結果,いくつは自然消滅してしまっても構わない。それは実行するほどの熱意がなかったということだから,続けたとしてもどのみち高が知れている。
「無責任」とは,「やると決めた企画を自然消滅させること」ではなく,「熱狂してないのに業務的に仕事をこなしている状態」のことだ。

私もこの本を読んでから1ヶ月弱,手を挙げられる場面では「やりたい」ではなく「やります」と言うようにした。
不思議なものでこういう形で暗にコミットメントをすると「やらざるを得ない環境」が作られるのでやる気が出る。
人は環境で変わる,ということだろうか。

また,先日読んだDaiGoの『自分を操る超集中力』でも似たようなことが紹介されていた。こちらは,判断のためにも集中力を使うのだから,ノータイムで判断するようにして集中力を節約しろ,という文脈。
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はじめに

最後に,「はじめに」を抜粋する。

今,若者はチャンスだ。
これまでのルールとシステムが通用しなくなっている。
古い世代にはわけの分からない変化が今まさに起こり始めている。
ワクワクする未来が迫っている。この波に乗ろう。
自分たちの手で,世界の輪郭に触れ,自由で新しい秩序を作り直そう。
おっさんの言うことはすべて聞かなくていい。
その代わり,誰よりも動け。
語る前に手を動かせ。語りながらでもいいから手を動かせ。
能書きじゃなくて数字やプロジェクトで示せ。
何をやりたいか,何をやっているか,明確に答えられる人間であれ。
狂え。生半可な人間が何も成し遂げられないのは,いつの時代も変わらない。
絶望を感じながら,それでも信じて走り抜け。
守るより,攻めろ。そのほうがきっと楽しい。
こっちの世界に来て,革命を起こそう。
〜中略〜
本書には僕の頭の中,行動原理を全て書いた。
第1章は「考え方」。常に「こんなものだろう」という予定調和を壊しに行かなくてはおもしろいこと,新しいことはできない。ロジックから感動は生まれない。
第2章は「商売のやり方」。サラリーマン脳を捨て自分の手で稼ぐ力を持たないと,これからの時代にあまりに不安定だ。その方法を書いた。
第3章は「個人の立たせ方」。自分というブランドをいかに打ち立てるかが,個人の時代では重要なテーマになる。
第4章は「仕事のやり方」。ごちゃごちゃ言う前に,とにかく動く。スピードと量で圧倒する。変化の時代には,とにかく動く人間が勝つ。
第5章は「人間関係の作り方」。デジタルの時代こそ丸裸になって本物の関係を作れる人間の価値は増す。
第6章は「生き方」について。ロボットが人間の大半の仕事を代替するようになると,我々人間は自分の内的欲望に忠実に,何かに入れ込んで,ただ熱狂する時間ができる。むしろ,そうやってしか人間が生み出すべき価値は作れなくなる。いかにして熱狂にまみれて生きるかを考えた。
〜中略〜
この本がこれから生きる若い人の武器になったら,嬉しい。

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