Android Bazaar and Conference 2014 Winterに参加してきた

年の瀬が迫っていますね。書くネタは多くあるんですが,それをなかなか文字にして起こすのが大変でここまでサボってしまいました。できるだけ2014年中に記事を公開できるように,急いで筆を走らせようと思います。

それでは,始めます。

はじめに

Androidな皆さんにとっては大事な祭典,Android Bazaar and Conference,略してABC。前回はABC2014Springでしたねー。私も当日スタッフとして運営を手伝っていました。その時の記事はなんでだか書くのを忘れたのでWills3には残っておりませんが。

で,だいたい年に2回あるABC,Springの次はAutumnとなるのが普通らしいんですが,今回は色々あったようでWinterとなりました。場所はSpringの秋葉原に続いて,今回は東海大学白金高輪キャンパス(蛇足ですが,次回は川崎で実施されることが決まったようです)。

私が初めてABCに参加した2013Springは2日間開催だったんですが,それからは毎回1日のみの開催になっていますね。2日間はとっても楽しかったんですが。

ABCは2013s,2013a,2014sに続いて4回目の参加になります。簡単にですが,聴いてきたトラックのまとめなんかを以下にまとめようと思います……が! なんと今回カメラを忘れてしまったので文章のみの掲載になります。ううう,失敗した……。

基調講演

「Project Araと新しいものづくりのエコシステム」by 丸山不二夫

ABCの基調講演と言えばこの人! の丸山先生。日本Androidの会の名誉会長の方です。

ちょっと開始時刻に間に合わなかったので途中からの参加だったので前半聴いていませんが,最近の技術トレンドとAndriodや人々の生活がどうかかわっているかを考え直すような講演の方向性はこれまで一貫しています。

テーマに上がったのは,

  • 自動翻訳機械とインターネットの未来
  • 第四次産業革命:Cyber-Physical System
  • オープンソースハードウェア,3Dプリンタ

などです。

特に3Dプリンタは今年耳にすることも目にすることも増えましたよね。「『民主化』された製造業」とか,Larry Pageの「人間が何もすることがなくなったら幸せではないと思っていることが問題だ」などという言葉が引用されていました。

「情報通信政策の最新動向」by 谷脇康彦

内閣審議官の谷脇氏の講演。日本のIT分野それ自体は頑張っているんだけど,それを他の分野へ応用することがまだうまくいっていないという話をしていました。

「Android5.0とAndroid Wearで広がる最新アプリ開発技法」by 松内良介

Googleの方。Android5.0でどんな機能が増えたかの概要をぱぱっと流す感じの講演でした。今後期待される,としてNotificationへの言及が多いのが印象的でした。

他にも,「使っていて楽しい」「Android標準と乖離がない」ことが重要だとも。まあ,そうですよね。

「Microsoft ♡ Android」by 加治佐俊一

Microsoftの方。Visual StudioでもAndroid開発できるんですよ! という講演。私はAndroid Studioでやりますけど。。。

「ウェアラブルコンピューティングとAndroidの未来」by 塚本昌彦

神戸大学の教授の方。俗に言うガジェットオタクな先生らしく,最近流行っているデバイスを取り上げた講演。あんまり,目新しいことを言っているようには思えませんでした。「日本ウェアラブルデバイスユーザ会」ってのの偉い人みたいです。

以上で基調講演の概要は終わりです。全体として,あんまり前回,前々回ほど盛り上がっていなかったのがちょっと寂しかったです。

「Material Designの勘所」by 佐藤伸哉

新しい”Material Design“全体を俯瞰するトラックです。基本的にAndroid公式のガイドラインに準拠した説明になっていました。

We challenged ourselves to create a visual language for our users that sysnthesizes the classic principles of good design with the innovation and possibility of technology and science.

まず,Material Designには大きく2つの目的があります。

  1. 「古典的なよいデザインの原則」と「技術と科学の可能性とイノベーション」を統合したビジュアル言語を開発すること
  2. タッチ,音声,マウスといった入力システムを考慮しつつプラットフォームとデバイスサイズを超えた,統一した体験ができる単一の基幹システムを構築すること

AndroidはもはやPhoneだけではなくTVなどにも進出していますからね。様々なプラットフォームでも意味を把握できるようなデザイン構造を考えましょう,ということでしょう。

次に,Material Designには3つの原則があります。

  1. デザインのメタファーを取り入れて,インタフェースやUIに,「紙とインク」「光」「表面」といった素材との関係性を与えることで,オブジェクトの動きやUIの関係性にアフォーダンスを生み出し,ユーザにとってわかりやすいデザインを提供する
  2. デザインに印刷の世界の考え方(グリッドシステム,タイポグラフィ,スペース,色)を取り入れ,ユーザを視覚的に誘い,UIオブジェクトに階層やフォーカスの意味合いを与える。意図的な余白や大きめのタイポグラフィを使用する。
  3. 状況の変化の様子やユーザのアクションに合わせてオブジェクトの形状が変わるなど,常に自然で意味のあるモーションを提供する。すべてのアクションは1つの環境で再現され,ユーザ体験の継続性を維持する。反応やトランザクションは常に一貫した体験を提供する。

すっごい雑にまとめてしまえば,画面を3次元的にz軸を考えて,それを上から見るようなデザインで統一すれば,ユーザも(慣れてくれば)その意味がわかりやすくなっていいよね! ってことだと思います。

その意味で,マテリアルデザインは「実装上のガイドライン」ではなく,もっと根本的なデザイン思想と言えるかもしれませんね。

「デザイン制作の思考回路」by 小太刀御禄

最後の方しか参加できなかったので,簡単ですいません。

デザインに関して参考になるサイトを3つほど教えてもらえました。

ということです。

その他,デザインにはベースカラー,アソートカラーなどありますが,その配色に迷ったときに便利なのが http://www.colourlovers.com です。ただしこちらは外国のサイトのため,日本人的には驚愕な配色がなされていることがある,と注意もありました。

質疑応答ではいくつか興味深い質問がありましたが,1つだけピックアップしますね。

Q:GoogleのMaterial Designも外国製のものだが,それに(日本人の私たちも)従うべきだろうか?

A:ガイドラインに従うのはもちろん大事だが,「黄色人種の(虹彩の色が濃い)私から見て,『この色はどういう意味なんだろう』」と再考することが大事とのことです。色ありきではなく,どういう意図を持って色を付けるのかを考えながらデザインせよということですね,なるほど。

戦利品

以上で私が参加した講演会トラックは終わりなんですが,ABCにはトラック以外にも「バザール」というものがあり,そこでは企業が自社サービスの宣伝をしていたり,私のように「Androidの会学生部」として新人勧誘をしている支部などもあります。

今回も例によって企業ブースが多数あり,そこで話を聴くと同時にグッズももらえるのです。本当に沢山もらえたので,以下に一覧で表示してみますね。個人的に一番嬉しいのは,何といってもTech Boosterさんのライフサイクルチャートポスターです!

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最後に

以上,駆け足にABC2014Winterを振り返ってみました。

冒頭でも触れましたが,次回のABC2015Springは2015年7月20日(祝・月)に川崎振興会館で行われます!! 公式ページ→http://abc.android-group.jp/2015s/

私にとってABCはAndroidに片足を突っ込むきっかけになったイベントであり(@2013Spring),初めて勉強会に参加してみたきっかけになったイベントでもあり(@2013Spring),学生部をいうものを知るきっかけになったイベントでもあり(@2013Automn),本格的に学生部にコミットするきっかけになったイベントでもあり(@2014Spring),そして開発者として一番焦らされたのが今回の2014Winterでした。

半年に1回というベストタイミングでやってくるこの節目の次回に向かって,変わらず精進していきたいと思います。

それでは。長文をここまで読んでくださってどうもありがとうございます!